メタバース大全

学校で使われているメタバース事例 

日本国内の学校で使われているメタバースの具体的な事例を5つご紹介します。オンライン学習やICT教育が進む中、メタバースは「双方向性」「立体的表現」による没入感を活かし、さまざまな教育活動に活用され始めています。


1. 東京女子学院中学校高等学校の「VRオープンキャンパス」

概要

  • 東京女子学院では、コロナ禍の学校見学困難をきっかけにメタバース上での「VRオープンキャンパス」を導入。
  • 専用のVRビューアやパソコンを通じて、校内設備の見学はもちろん、在校生や教員とのコミュニケーションを仮想空間で疑似体験できる。
  • 従来のオンライン説明会よりも立体的に校舎を把握できるため、受験生や保護者から好評を得ている。

ポイント

  • バーチャル空間に教室や廊下、部活動スペースなどが再現されており、実際に歩いて見学しているような没入感。
  • 教員や在校生のアバターとリアルタイムに会話でき、疑問点を質問できるなど、リアルの学校見学に近い体験が可能。

2. iTeachers Academyによる「VR授業体験プロジェクト」

概要

  • 教育ICTコンサルティングを行うiTeachersが、全国の学校と連携して進めるプロジェクトの一つ。
  • VR教材を使った授業を導入し、理科・社会・英語など多岐にわたる科目でVRコンテンツを活用。
  • 地理や歴史では「仮想修学旅行」、英語では「海外街並み見学」など、映像教材以上の没入感を提供している。

ポイント

  • パソコンやタブレットに加え、VRゴーグルを用いた「体験型授業」で、生徒の学習意欲や理解度を高める。
  • 放課後のクラブ活動や探求型学習でもVRを活用し、プロジェクト型学習(PBL)としての取り組みが可能。

3. 兵庫県内公立中学校での「バーチャル修学旅行」

概要

  • コロナ禍で修学旅行の実施が難しかった背景から、兵庫県内の複数の中学校がメタバース上での修学旅行を実施。
  • 行き先の観光地や歴史的建造物を3D空間で再現し、生徒は自宅からアクセスしてバーチャルツアーを体験。
  • 対面での旅行と比べて制限はあるものの、海外や離島など通常は訪れにくい場所も拡張的に「見学」できる点が好評。

ポイント

  • 感染症対策だけでなく、移動や宿泊などの費用削減につながる。
  • ガイド役のアバターによる説明や、クイズ・ミッション型コンテンツを組み合わせ、生徒の参加意欲を高めている。

4. バーチャル空間を活用した「オンライン文化祭」事例

概要

  • 従来型のオンライン文化祭(動画配信やウェブ展示)から一歩進み、メタバースプラットフォーム上でクラス展示やステージ発表を行う学校が増加。
  • 生徒たちが自らバーチャル空間をデザインし、バーチャルバンド演奏や演劇などを披露する事例がある。
  • 3Dモデリングやプログラミングのスキルを活かした制作を行う学校もあり、STEAM教育の実践例としても注目される。

ポイント

  • クラスで協力して空間を作ることで、プロジェクト型学習(PBL)を体験しながらチームワークや企画力を養う。
  • リアルタイムのチャットやアバター同士の対話で、来場者とのインタラクティブな交流が可能。

5. 東京大学の「メタバース工学部」プロジェクト

概要

  • 東京大学が2022年に発表したデジタル人材育成の一環としての取り組みで、中高生を対象としたオンライン学習プログラムの総称が「メタバース工学部」。
  • 工学や先端技術に興味を持つ中高生が、仮想空間上で大学の講義や研究内容を体験できるように企画・運営。
  • 理系進路への関心を高めるとともに、大学進学を視野に入れた早期キャリア教育の場として注目されている。

ポイント

  • 中高生向けにプログラミングやデータサイエンス、XR(VR/AR)技術などを学べる機会を提供。
  • 学外の企業や自治体とも連携しており、社会課題を解決するための「探究型プロジェクト」に参加できる。

まとめ

日本国内の中学校・高校、さらには大学の取り組みにおいても、メタバース活用の動きが加速しています。授業や文化祭、修学旅行、オープンキャンパスだけでなく、大学レベルの学習機会まで、オンラインかつ仮想空間ならではの魅力を活かした事例が増えています。

ポイント

  • メタバースは「双方向性」や「立体的な表現」により、学習や学校行事をよりインタラクティブかつ没入感のあるものに変える可能性がある。
  • 中高生のうちから最先端のICT技術に触れられる機会が増え、探究学習や将来のキャリアを考えるきっかけにもつながる。

今後、GIGAスクール構想などの影響でハード面が整備されるにつれ、さらに多彩なメタバース教育の形が生まれるでしょう。学校の公式サイトや教育ICT関連のニュースをウォッチして、新たな事例や取り組みをぜひチェックしてみてください。

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