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3DCGが作れる「Blender」とは

みなさんは、「3D」という言葉を聞いたことがありますか?映画館で3Dメガネをかけると映像が飛び出して見えたり、ゲームのキャラクターが立体的に動いたりするあの「3D」です。実は、あの立体的なキャラクターや建物、背景などをパソコンの中で作る作業を「3DCGモデリング」といいます。

3DCGモデルを作る作業を、イメージしやすいように例えるなら、「パソコンの中にある粘土やブロックを使って、思い通りの形を作っていく」ようなものです。最初は四角いブロックがいくつも並んでいるだけでも、少しずつ粘土をこねたり、ブロックを削ったりくっつけたりしながら、最終的にはキャラクターや乗り物、建物などが完成します。これが3DCGモデリングの世界です。


Blenderとは?

そんな3DCGモデリングを行うためのソフトウェアの一つに「Blender」があります。Blenderは無料(オープンソース)で使えるにもかかわらず、高性能な機能がたくさん詰まっている優れものです。たとえば:

  • 3Dモデルの作成・編集
    キャラクターやロボット、アイテム、背景の建物など、多彩なモデリングが可能です。
  • アニメーション制作
    作った3Dキャラクターを動かすことができます。アニメーション映画やゲームのモーションの仕組みを学ぶことも可能です。
  • レンダリング(画像・動画出力)
    完成した3Dモデルをきれいな画像や動画として出力できます。ライトやカメラの設定を細かく調整して、本物そっくりの質感や陰影を表現できるのもBlenderの魅力です。
  • 2Dアニメーション機能
    実はBlenderには2Dイラストのアニメーションを作れる機能も搭載されています。「Grease Pencil」という機能を使うと、紙に描くような感覚で2Dアニメを制作できます。

しかも、公式ホームページから簡単にダウンロードができて、WindowsやmacOSなど色々なパソコンで利用できます。まだ学生で予算がなくても、無料ですぐに始められるので、最初の一歩を踏み出すにはうってつけのソフトなんです。


企業でも使われるBlenderの可能性

「無料で誰でも使えるソフトなんだから、プロの現場では使われていないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。Blenderは以下のように、さまざまな企業・団体でも使われています。

  1. ゲームスタジオ
    大手のゲーム会社がBlenderを使ってキャラクターや背景のプロトタイプを作ることがあります。たとえば、Ubisoftなどの海外大手ゲーム企業が、コンセプトアートや社内ツールとしてBlenderを活用していることが公開されています。
  2. 映画・アニメ制作
    映画やアニメ業界でも、Blenderは大掛かりなプロジェクトの一部で取り入れられています。実際にNetflixで配信されるショートアニメーションの一部制作にBlenderが使われたり、オープンソースの特性を活かして制作過程をSNSで公開したりと、作り手同士でノウハウを共有しやすい環境が整っています。
  3. 建築・デザイン業界
    3Dモデリングは、ゲームやアニメに限った話ではありません。建築やインテリアデザインの分野でも、建物の完成イメージを伝えるためにBlenderなどの3DCGソフトが使われています。リアルな質感や光の反射などが表現できるので、プレゼンテーションにも便利です。
    実際に、設計事務所やデザイン事務所がBlenderで建築パースや試作品のデザインを作成し、クライアントへ提案するといった例があります。
  4. 科学・研究機関
    NASAなどの研究機関でも、3DCGモデリングを使って宇宙船やロケット、惑星表面のシュミレーションを可視化することがあります。Blenderが活用されているケースもあり、専門分野でも無料ながらハイクオリティな表現力が評価されているのです。

このように、Blenderはプロの現場でも導入されているほど実力のあるソフトウェアです。みなさんもBlenderを使いこなせるようになれば、趣味から将来の仕事につながる可能性も広がります。


中学生・高校生におすすめの理由

  1. 無料で始められる
    部活動や勉強の合間に、気軽に3DCGを学んでみたいとき、無料のBlenderなら金銭的負担がありません。高価なソフトを買わなくても、最先端の3DCGの世界を体感できます。
  2. 日本語のチュートリアルやコミュニティが充実
    インターネット上にたくさんの日本語のBlender講座や解説動画があります。公式マニュアルも日本語版があるので、中学生・高校生でも安心して勉強を進められます。
  3. 将来のキャリアにつながる
    ゲームクリエイターやアニメーター、建築デザイナー、VFXアーティストなど、3DCGの技術は多岐にわたる業界で求められています。学生のうちから少しずつ触っておくことで、将来の進路選びにも役立つでしょう。

まとめ

3DCGモデリングは、「パソコンの中で粘土やブロックを自由に操って、キャラクターや建物を作る作業」のようなもの。無料のBlenderを使えば、高校生・中学生でも、プロレベルのツールに気軽に触れることができます。そして、Blenderは個人制作だけでなく、大手ゲーム会社やアニメ制作会社、建築事務所など、さまざまな現場でも活用されている実力派ソフトです。

最初は操作方法に戸惑うこともあるかもしれませんが、練習を重ねれば想像力を形にできるようになります。興味を持ったら、ぜひBlenderをダウンロードして、3DCGモデリングの世界を楽しんでみてください!将来、みなさんが作った作品がゲームや映画の世界で活躍する日が来るかもしれませんよ。

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